小池環境大臣・環境省幹部との懇談会開催される
5月27日(金)キャピトル東急ホテルに於いて、環境省からの要請により小池環境大臣・環境省幹部との懇談会が開催された。繊産連からは、前田会長をはじめ常任委員・顧問が出席した。(出席者名簿)
当日は、小池環境大臣から挨拶に引き続き地球温暖化問題、廃棄物リサイクル問題、大気汚染問題、水質汚濁問題について環境省が現在取り組んでいる施策について詳細説明を受けた。
小池大臣からは、地球温暖化を防止するため、夏のオフィスの冷房設定温度を28℃程度にすることを広く呼びかけており、その一環として、28℃の室温でも涼しく効率的に働くことが出来る「夏の軽装」を推進している。そのため、夏の新しいビジネススタイルの愛称を一般から募集した結果、COOL BIZ(クール ビズ)と決定。6月5日「環境の日」には、愛・地球博会場内で「夏の軽装」を呼びかけるイベント「クールビズコレクション」等を予定している。
ついては、国民の衣食住の「衣」の部分に係る総合産業の中心である日本繊維産業連盟と本日意見交換を行うことは、クール・ビズの観点からも非常に意義深いと考えている。また、繊維業界が、3Rの取り組みをはじめ、様々な環境配慮の取組を進めていることは十分承知しているが、国民の日々の生活に密着している繊維業界が環境配慮の取組をより一層推進されることは、今日の環境問題の解決に大きな役割を果たすものであると考えている。繊維業界には、日頃から環境行政に大きな協力をいただいていることに感謝申し上げるとの挨拶があった。
これに対し、繊産連前田会長からは、環境問題については、地球温暖化や、廃棄物、自然環境の保護など、重要な問題が山積している。また、環境に対する社会的な関心も非常に高くなっている現在、本日の懇談会は誠に時宜を得たものと思う。
繊維産業は、川上の原糸・原綿から、川中の織物・編物・染色、川下のアパレル・百貨店・小売りに至るまで非常に幅広い業界からなっており、それぞれが直面している環境問題や取り組みも多種多様である。
繊維業界を取り巻く環境問題と主な取り組み状況については、川上の化合繊を中心とする原糸・原綿及び川中の染色業界は、鉄鋼や化学と同様にエネルギー多消費型の素材産業であり、温室効果ガスの排出、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、VOC(揮発性有機化合物)等の化学物質の大気排出削減などが、環境面での重要な課題となっている。
川中の織・編業界では、繊維屑や油剤中の環境汚染物質などが問題であり、川下のアパレル・流通業界は、裁断屑や不良在庫品、包装・荷資材等の廃棄物処理、物流に伴うCO2の排出などが環境面での主な課題となっている。
繊維業界全体の共通課題として、使用済み製品や加工段階での屑品のリサイクルがあるが、繊維リサイクルについては非常に多くの取り組みが推進されている。ただ、技術的には可能であっても、経済的な見通しが不透明で、量的な拡大面で難しいところもあるのが実状であるとの挨拶と、地球温暖化対策、大気汚染・水質汚濁防止、化学物質の排出削減、廃棄物削減、リサイクル、環境配慮方製品について、業界の主な取り組みの説明があった。
(前田会長挨拶要旨)
前田会長の挨拶に引き続き、繊産連下記7団体より各業界の取り組みについて報告があった。
日本化学繊維協会(八木副会長)、日本紡績協会(木下技術委員長)、日本絹人繊織物工業組合連合会(鈴木常務理事)、日本染色協会(八代会長)、日本アパレル産業協会(中瀬理事長)、日本百貨店協会(中村会長)、日本チェーンストア協会(川島前会長)