経済産業省との懇談・意見交換での概要
1. 「東京発 日本ファッション・ウィーク」(JFW)について
前田会長から、この催しは、繊産連としても加入団体殆どが関係していることであり、全面的、積極的にバックアップしていきたいとの話しがあり、各委員からも異議無く賛同が得られた。
2. 中小繊維製造事業者自立事業について
前田会長から、自立事業は、これが最後の5年間ということで出発している。我々レベルでは更に先のことを考えるべきだが、今の段階では5年で終わり、それで頑張ろうとご指導いただきたい。自立事業で成功した分は、更に可能性がある、というような捉え方が良いと思う。
成功事例などの総括については、今年か来年早々の間に繊維産業連盟として、発表会のようなものを、事務局に考えてもらいたい。成功例は幾つかあるし、失敗例も多少入れて、適当な時期に行いたいとの話しがあった。
榊原日本化学繊維協会会長からは、ポスト自立事業について、産地をはじめ継続して欲しいという声も多く出ているので継続することも可能性として検討いただきたい。また、日本の繊維産業競争力の強化ということで、中国とも対峙してしっかりと生き延びていくためには、やはり技術開発が必須である。そのためには、産地企業と川上メーカーとの連携だけでなく、産学官の連携を進めることが大切である。そういう意味で経済産業省には、補助金拠出も含めた支援、中小自立事業の継続と産学官連携の推進について支援をお願いしたいとの話しがあった。
宗像繊維課長から、ポスト自立事業について、これからは、他の産業にとっても良いと思えるような政策を考えなければならない。例えば、産地全体を業種横断的に見たときに、中国との棲み分けを考えネットワークを再編していく、その円滑な道筋を支援するというような枠組みを考えればこれは大きなものになるかもしれない。これは私どもの大きな課題と考えているとの話しがあった。
3. 繊維製品の原産国表示に係る研究会について
中瀬日本アパレル産業協会理事長(研究会座長)から、この研究会は、今月末を目処に「報告書」と「業界宣言」を出すことになっている。この研究会設置の主旨は、原産国を表示せず、それがあたかも日本産であるような誤解を与える好ましくないケースがある。海外品を日本品と表示する違法行為も一部そういったケースがある。また、東南アジアから輸入した製品のタグを切り取る行為なども未だに散見すると聞いている。逆に法規制がないだけに、業界としてきちんとした姿勢を示す必要がある。改めて当たり前のことであるが、法の遵守をもう1つ進めて、メーカー責任をきちんと消費者に伝える、その1つとして原産国表示は欠かせないのではないかということである。「業界宣言」は、対消費者という視点、企業倫理の視点、両方から考えることになるとの話しがあった。
前田会長からは、日本国内の国産品について、厳しく義務づけてはどうか。法的根拠はなくても、業界毎であってもきめればやれるのではないか。「業界宣言」には、「日本製品については、はっきりと日本品と書く」という趣旨の1行を加えてはどうか。それだけでも違うと思うが、との話しがあり中瀬座長からもその件については、参考にさせていただき、また相談させていただく、との話しがあった。