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Japan Textile Federation

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前田会長挨拶要旨

5月25日(水)「繊維製品の原産国表示に係る研究会」が発足され第1回目の会合が開かれた。座長は中瀬雅通日本アパレル産業協会理事長、事務局を日本繊維産業連盟に設置した。

今年で3年目を迎えた「自立化事業」とクォータフリー後の日本の繊維産業が進むべき方向についてFTA/EPA交渉など真剣な議論を行っている「繊維通商問題研究会」の現状に触れ、また、輸出拡大に積極的に取り組んでいる「日本繊維輸出機構」、アパレル産業協会の「ジャパンファッションフェア・イン上海2005」、ジャパンクリエーション実行委員会の「ジャパン・クリエーション2006」、さらには、昨秋TA間の取引に関する「TAプロジェクト取引ガイドライン」を纏め、その後、各業界に積極的な普及活動を行っている繊維ファッションSCM協議会の活動に対し今後とも支援していきたい。

また、平成17年度繊産連の活動方針について、特に繊産連の活動の基本は「創造と信頼の繊産連」だが、最も重要なことは繊維産業全体としての「相互信頼」であり、そのためには、製造から小売りまでの繊維に関わる全ての業界が、「工商一体のトータルインダストリー」という考え方で、しっかりとした基本となる考え方を持ち、共通の理解と認識の下で、一致団結して「改革と創造」、即ち、新しい繊維産業構造を作り上げていかなければならないので、新たに常任委員に就任された各位にも、理解と協力をお願いしたい。

平成17年度の活動方針では、「新繊維ビジョン」の確実な実行が基本であり、各業界が繊維産業の再活性化の実現のために協力していくことが必要。繊産連は、ビジョンの実現に向けて益々活発に活動し、グローバルに展開しており、優秀な人材や活動費が益々必要になってきている。こうした課題にも皆が一緒になって取り組んでいく必要があるので、ご協力をお願いしたい。

今後の課題として、繊産連の活動は「流通構造を含めた抜本的な構造改革」を柱とした新繊維ビジョンに基づいて「守り」から「攻め」に活動の重点を移してきた。約2年が経過し、その結果、事業構造改革も進み、その中で、中国脅威論は影を潜め、共存の道がみいだされ、2003年当時に比べれば業界全体が落ち着きを取り戻している。この1年は繊維ビジョンの副題である、「内在する弱点の克服と強い基幹産業への復権を目指して」という方向で、諸課題の総仕上げの年にしたいと考えている。

繊維業界を巡る世界の状況は非常に厳しく、拡大する中国、インド、さらに縫製基地としてベトナム、ミャンマー、バングラデッシュなどの国々の台頭が予想され、その中で、これからはアジア経済共同体といった地域統合の構想も順次視野に入れながら繊産連の活動が行われる必要がある。

この状況下で、日本の繊維業界が国際競争力の維持・強化を引き続き推し進めるためには「繊維ビジョンを越える新しい課題」を設定し、取り組んで行く必要がある。今年はその議論の元年になるだろう。来年以降、ポストATCの貿易の形や、WTOの繊維を含む関税交渉も2006年末には終了する予定で、さらにASEAN4カ国、及びアセアン全体との繊維FTA交渉などもはっきりしてくるだろう。日本が技術大国として引き続きリードしていくことが今年度後半の重要な課題であり、今後、これらの新しい通商枠組みの積極的活用、貿易・投資の拡大、中国をはじめとするアジア各国との分業と協力関係の深化を図ることが必要となる。

その意味で、韓国との「繊産連合同会議」、並びに中国との「日中繊維産業発展・協力会議」、さらには来年の5月に取り纏められる予定の「アジア化繊産業ビジョン」の成果も役に立つと思う。技術大国を目指す日本が国際的な技術開発競争に打ち勝つためには、産学官連携による先端的な「技術開発」の実行が必要になると思う。さらに、産業クラスターを結成し地域経済の発展、あるいは産業政策と連動させるという、新しい観点から産地の問題を取り上げていくことも重要な課題になるだろう。